韓国ガールズユニット①
☆ 韓国ガールズユニットの日本進出
朝鮮日報は「韓国ガールズグループ‘日本侵攻’,ビートルズの米国進出のように」という記事を載せている(「한국 걸그룹 ‘일본침공’,비틀즈의 미국 진출과 비슷해」,2010.10.31)。この冒頭の部分は次の通り。
--日本の時事週刊誌「アエラ(AERA)は最近,韓国のガールズグループの人気を60年代のビートルズの米国進出に準えて,『韓国ガールズグループが日本を侵攻するだろう』と報道した。英国出身のバンド‘ビートルズ’が1960年代に米国で成功裏に人気を獲得し世界的なバンドに飛躍したように,韓国のポップ音楽(K-POP)が日本の音楽マーケットを席巻しているという話だ。--
韓国のガールズユニット如きをビートルズと比べるとは噴飯ものだ,というのがアエラに対する感想だった。しかしどういうニュアンスなのか詳しいことを知りたくて,まずこの「アエラ」の原文を掲載しているバックナンバーに当たってみることにした。ところがこの作業がなかなかすんなり進まない。朝鮮日報の記事が「最近」と書いているということで,まず10月の4冊を図書館に予約して貸し出したがそんな記事はどこにもない。次にアエラを検索してそれらしき記事を見つけて,8月30日号を貸し出した。そこに「キラキラオーラに夢中 K-POPガールズ日本上陸」という紹介記事があったが,詳しく取り上げているものの「ビートルズ」や「侵攻」のキーワードは見当たらない。
いろいろネットで検索して,7月12日号に当たりをつけて,ようやく行き着いた。孫引き記事が溢れかえっている割には直接引用しているものがほとんどないから,長ったらしいが参考までに該当箇所の原文を載せておこう。
--Kポップ人気番組 スタジオから「実況中継」(フリーランス記者・坂口さゆり)
同社(ユニバーサルミュージック)で男性ボーカルグループを担当する楮本昌裕氏は…こう話した。「韓国の音楽マーケットは将来の日本市場の姿とも思える感覚がある。日本でもK-POPムーブメントが起こりつつあるが,1980年代には,デュラン・デュランやカルチャークラブ,カジャグーグーなどイギリスのアイドル性の高いグループがアメリカ市場で成功した例がある。韓国アーティストの音楽が日本のマーケットを席巻する『コリアン・インベンション』 とも呼べる現象が起こるかもしれない」--
内容的に,これが朝鮮日報が引き合いに出している記事だと考えてまず間違いないだろう(アエラも朝鮮日報も問い合わせに対して無回答なので,これ以上ネタ探しをする気持ちはない)。インベンションが invention ではなくインベージョン(invasion)の誤りだと解釈して,「(武力による)侵入,侵略,侵攻」とする点には異論はない。この点をチェックしなかったのはアエラの記者なり編集部の怠慢だ。しかし,この文を見る限りでは,ビートルズはどこにも登場しない。そもそもアエラのインタビューに答えた個人の見解を,まるでアエラの主張そのものであるかのように捻じ曲げる朝鮮日報の引用の仕方は根本的に疑問である。
結局朝鮮日報のこの記事は,アエラの記事をダシにすることによって公正さを装い,8月29日付の朝鮮日報・日本語版のコラム「韓国ガールズグループの第2次日本『侵攻』」(チョン・ウサン=鄭佑相)の主張を取り入れているだけのように思える。このコラムも長くなるが,引用すると以下の通り。
--ポップスの歴史を見ると,イギリスは1960年代と80年代の2回,米国を「侵攻」した。1回目の「British invasion(ブリテッシュ・インベージョン=イギリスによる侵攻)」は,60年代にビートルズやローリング・ストーンズに代表されるイギリスのバンドが米国でヒットしたこと,2回目は80年代にデュラン・デュランやカルチャー・クラブといったニューウェーブ・バンドの曲が米国に上陸したことだった。こうしたバンドは,単に米国の音楽市場に進出したのではなく,米音楽界の勢力図を塗り替えた。米国で「侵攻」という言葉が使われるほど,当時のイギリスのバンドは勢いも人気もあった。
--日本は,少女時代やKARA(カラ)といった韓国ガールズグループ(女性アイドルグループ)の日本進出を「Korean invasion(コリアン・インベージョン=韓国による侵攻)」と呼んだ。
--2004年に巻き起こった「ヨン様」ことペ・ヨンジュンとドラマ『冬のソナタ』ブームが「第1次コリアン・インベージョン」なら,今年8月から始まった韓国ガールズグループの日本進出は「第2次」になる。--
「アエラ」の記事では1980年代の話だったのがいつの間にか1960年代のビートルズに化けたプロセスがよく分かるし,「アエラ」という主語すら「日本」に変わってしまっている(アンダーライン部分)。まるで手品を見ているようだ。冒頭の朝鮮日報の記事では,さすがにこの主語の部分はアエラに戻している。多分,具体名を持ち出すことで真実性を読者に印象付けるために。
この点だけを見ればアエラは被害者ということになるだろうが,とてもアエラの肩を持つ気にはなれない。日本のことわざ「目糞鼻糞を笑う」に当たる韓国のことわざに,「똥 묻은 개가 겨 묻은 개를 나무란다. 糞のついた犬が糠のついた犬を貶す」があるが,アエラも朝鮮日報も所詮糞か糠に過ぎない。
☆ 「AERA」のいかがわしさ
今までアエラを読んだことがなかったが,今回何冊かに目を通した印象は,「無残」の一言に尽きる。別に期待するものはなかったとはいえ,これほど酷いとは思わなかった。韓国に関して,この種の提灯記事を繰り返し載せる意図がどこにあるのか。恐らく阿諛追従することで,自己正当化しようとしているのだろう。このように尻尾を振り,相手の主張を鵜呑みにする能天気なマスコミがいるから,韓国のメディアがそこにつけ込むというより群がってくる。その挙句に「歪曲」まがいの行為にまで出る。普通なら引用の不正確さに憤慨するなり抗議を申し込むなりしてもおかしくないと思えるが,むしろ論を深化させてくれるお先棒を担いで本望と思っているのかもしれない。
一方の極にアエラがいるすれば,他方の極には底意は反共と謂れのない差別感なのに,無関係なものを持ち出して大言壮語する石原慎太郎や橋下徹のような極右政治家がいる。このように書くとアエラが「左」に位置する構図に見えるが,オール「右」が日本のマスメディアの現状であり,まともな論者を期待するのが無理なんだろうか。
肝腎の朝鮮日報や中央日報といった韓国メディアに対する疑問が今回のメイン・テーマだが,前置きのつもりの部分に字数を費やしてしまった。次回にこの続きをじっくり書くことにしよう。
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いつも楽しく読ませていただいております。
まず、朝鮮日報なんて向こうでもクズ扱いされているようなので、、ま、ツッコミ入れるには打ってつけの新聞かも知れませんね。
あと、芸能人ではないですが、松井やイチロー選手などがアメリカで活躍している姿を見て熱狂している日本人と同じように、韓国人も自分の国の芸能人やスポーツ選手が海外で活躍している姿を見ていて嬉しくなるのはある意味当たり前っていえば当たり前なのではないでしょうか。こういう単純な考え方じゃダメ?^^
日本だけではなく、タイでもシンガポールでも中国でもほとんどのアジアの国々で韓国のガールズユニットは大人気ですし、そういうのを見たら私も頑張らなきゃと思ったりしますけどね。
実際、素人の私から見ていても日本のガールズユニットより韓国のガールズユニットの方がダンスも歌も上手だし語学力もあるし、ものすごく努力している姿が目に見えますので自然と応援したくなりますけれども。
ま、もうすでにファンになっているから何を言われたって耳の中に入ってこないかも(笑)一人でつぶやいてみました。
投稿: 少女時代のファンとして^^ | 2011年1月 6日 (木) 12時45分