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韓国の歴史

2009年9月 9日 (水)

韓国映画ベスト10 その後Ⅲ

☆ 『公共の敵(공공의 적)』

監督:カン・ウソク(강우석=康祐碩)
出演:ソル・ギョング(설경구=薛景求),カン・シニル(강신일),ユ・ヘジン(유해진)

このシリーズは3作あるが,続編に当たるのは『公共の敵2』ではなく,『公共の敵1-1』だそうだ。いずれにせよどういうわけか今まで食指が動かず,3作とも見ていなかった。

同じ監督・主演の『シルミド(실미도)』は,ある程度期待して見たがつまらなかった。逆にそれほど期待していなかったこの『公共の敵』は面白かった。『シルミド』がつまらなかった一因ははっきりしている。アン・ソンギ(안성기=安聖基)が好きでないから。だから『太白山脈』も『光州5・18』も,イマイチだった一因は同じだ。重厚な演技なんてクソ食らえだ。まあ,プロの評論家ではないから,個人的好き嫌いが露骨に出るのは避けられない。--正確には,避けようとしない。

さて,主人公カン・チョルジュン(강철중)は,アジア大会のボクシングで銀メダルを取り,特別採用で警査(경사)となるが,無能力なために,昇進するどころか逆に警長(경장)→巡警(순경)と降級(강등=降等)していく。そして,雨の日の張り込み中にポンチョを着た男とぶつかり,争ってナイフで切りつけられる。そこから,殺人犯との戦いが始まる。

カン・チョルジュンが名乗るとき「江東署強力班カン刑事」となるが,これは有名な早口言葉「醤油工場の工場長はカン(姜?)工場長で,味噌工場の工場長はコン(孔?)工場長だ。(강장 공장 공장장은 강 공장장이고, 된장 공장 공장장은 공 공장장이다.)」を連想させる。

また,彼が切る啖呵は「金がなけりゃブン殴り,機嫌が悪けりゃブン殴り--殴った奴らを並べると,練兵場2周分だ」となる。日本語字幕はこれだけだが,実際にはもっと長ったらしい。(형이 돈이 없다고 해서 패고 말 안듣는다고 해서 패고 어떤 새끼는 얼굴이 기분이 나뻐.   그래서 패고 그렇게 형한테 맞은 애들이 4열종대 앉아번호로 연병장 두바퀴다.)

こういったコミカルさもあるかと思えば,同僚刑事が突然鄭玄宗の詩『空に噛みつけば』をつぶやく。
空に噛みつけば 雨が降る/雨に噛みつけば わが身が濡れる・・・
(하늘을 깨물었더니 비가 내리더라/비를 깨물었더니 내가 젖더라.)
こういうところに何ともいえない味を感じる。

この殺人犯は,以前はサイコパスと表現されていたが,現在は反社会性人格障害(APD)という名称になっているようだ。その本筋の殺人事件の解決に関しては飛びぬけて斬新な部分はない。

しかしさりげなく流れる幾つかのシーンは,個人的には堪らなくいい。例えば,露天商の若者とのやり取り(バリエーションまである)・交通違反取締りをカネをつかませて逃れようとするアジュンマ・開店資金の借金を返せない店舗を子分たちがめちゃめちゃにする場面・そしてこれを見物する群集など。さらに,警察に対する庶民の複雑な感情。

このような庶民の生活が描かれていると,とたんにうれしくなる。そして,殺人事件であれ恋愛であれ,日常と非日常が交差してこそ映画の醍醐味があると思える。それに対して,成功した創業者のバカ息子がろくろく仕事もせずに高級車を乗り回して,三角関係だの四角関係にうつつを抜かしているようなドラマにはうんざりする。非日常てんこ盛りに魅力を感じる人間がいてこその「韓流」なんだろうけれど。

最後に一言。カン・チョルジュンが元ボクシング選手という設定の割には,乱闘の場面でのパンチの打ち方に腰が入っていない。ひょっとすると,ソル・ギョングは運動神経があまり優れていないのではなかろうか。

2009年9月 2日 (水)

印象に残る言葉⑤

☆ 望月洞(망월동)旧墓地

光州へは2度目で,前回は素通りになってしまった旧墓地へ行った。その案内板が印象に残る。

        5.18구묘지

 이 곳은 1980년5.18광주민중항쟁 당시 산화하신 분들이 묻혔던, 전에 ‘망월동묘지’라 불렀던 곳입니다.   가족들이나 친지들은 항쟁의 와중에서 공포와 분노에 떨며 처참하게 훼손된 주검을 손수레에 싣고 와서 묻었고, 연고자가 나타나지 않거나  5월27일 도청 함락때 희생된 분들은 청소차에 실어다 묻었습니다.   그 뒤 여기가 민주의 성지로 세계적인 각광을 받자 군사반란집단은 묘를 파내게 하는 등 묘지 자체를 없애려고 하여 영령들은 죽어서까지 수모를 당했습니다.   1994년부터 묘지성역화 사업을 추진하여 1997년 5・18묘지가 완성되자 영령들은 치욕의 17년을 뒤로 하고 새 묘역으로 이장되어 비로소 편안히 눈을 감게 되었습니다.   이 묘역은 당시의 참상을 처절하게 안고 있는 곳인데다 그 동안 국내외 참배객들이 수없이 다녀간 곳이므로 겉모습을 그대로 보존하기로 하였습니다.

大意は次の通り。
        5.18旧墓地
 ここは1980年5.18光州民衆抗争当時華々しく戦死された方々が埋葬され,以前は「望月洞墓地」と呼ばれていた所です。家族たちや知り合いたちは抗争の渦中で恐怖と憤怒に震えながらむごたらしく毀損された屍を手押し車に乗せて運んで来て埋め,縁故者が現れなかったり5.27道庁陥落時に犠牲となった方々は清掃車に乗せて運んで埋めました。その後ここが民主の聖地として世界的脚光を浴びるや,軍事反乱集団は墓を掘り返すなど墓そのものを無いものにしようとして,英霊たちは死んでもなお侮辱を受けました。1994年から墓地聖域化事業を推進して1997年5・18墓地が完成して英霊たちは恥辱の17年をあとにして新墓地に移葬されて初めて安らかに目を閉じることができました。この墓域は当時の惨状を凄絶に残しているところであり,その後の国内外の参拝客たちが数え切れないほど訪れた所であるので,外見をそのまま保存することにしました。

旧墓地は狭くて起伏のある丘の中腹で,それだけ一層当時の様子を想像しやすいように思えた。新・旧合わせて訪れてこそという感慨を持った。しかしこの案内板の特に「恥辱の17年」という表現に異を唱える人もいるそうだ。詳しい情報が得られないから,それに関してはノーコメント。

恐らくこれとは逆の方向と思われるが,かつて日本では原爆慰霊碑論争が起きた。

☆ 原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)

広島平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑には,「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれている。この碑文の主語が明確でないとからと抹消・改正を主張したグループがあった。原爆投下の責任はあくまで米国にあるという一見もっともらしい論理である。しかしこのグループが,米国の責任糾弾の運動を持続させるとか反米闘争を展開したわけではない。被爆者の側に立つのではなく,単に被爆者中心の運動に水を差すとか,分裂を画策するとか,できれば潰しにかかろうという意図しかなかったのだろう。

どこの国にもいつの時代にも,狐もいれば狸もいる。ときには狗までいる。しかも手を変え品を変え性懲りもなく現れる。正体を見抜くことを肝に銘じて生きて行きたいものだ。

☆ ユン・サンウォン(윤상원)

ユン・サンウォンの漢字表記はどの資料も尹源となっていたから,このブログでもそのように表してきた。しかし,박호재・임낙평著『윤상원 평전(ユン・サンウォン評伝)』(풀빛)では,尹源となっている。これまでの分は修正せずにそのままにしておくが,今後はこちらを使う方がよさそうだ。

 

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