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「本の虫」の餌

韓国の歴史

2017年10月17日 (火)

補遺ー2

本の虫③---2007年10月06日
今回は補足の補足。こんな調子では本論が進まないが,別に誰かにいわれて書いているわけではないから,まあのんびり行こう。

先日,ある大学で聴講した。もちろん韓国関連の授業を。そのとき話の流れで,李良枝の名前を口にした。私は,李良枝の死因は自殺だと思い込んでいて,念のため調べてみたら,急性肺炎となっていたことが頭の隅にあっての発言になったようだ。

ところが,居合わせた在日の学生たちは知らないと言う。そのことにいささかショックを受けた。アイデンティティの壁に当たれば,まず読むだろうという先入観があったせいだ。今時の若者は・・・などと言うつもりはさらさらない。アイデンティティの壁などには当たらないか,当たるとしても,そのとき小説などへは向かわないか,向かうとしても李良枝ではないのかというようなことを,もう少し深く知りたいとは思う。

現在までに,芥川賞を受賞したのは,李恢成・李良枝・柳美里・玄月,直木賞を受賞したのはつかこうへい・金城―紀など。金史良や金鶴泳は芥川賞の候補にあがったが受賞はしなかった。

金鶴泳と李良枝を並べるとき,前者に強く惹かれるのはなぜかということも,今後考えていく材料になった。また李良枝に関して調べていて,リービ英雄とのつながりがあったことも初めて知り,以前から気になつていたリービ英雄も読もうという気になった。こういう芋ヅル式が読書の楽しみなんだろう。

自殺をキーワードとして,いろいろ考える場合,「発狂」にも触れないわけにはいかないだろう。そうすると,真っ先に二一チェと謝花昇が思い浮かぶ。ここまで深入りすると手に余りそう。

本の虫④---2007年11月01日
話が脱線することを韓国語では,‘삼천포로 빠지다’と表現するんだとJ先生の授業で習った。着いてみたら삼천포(三千浦)だったぐらいに訳せばいいのかも知れない。そのとき,前半に省略されているのは,부산으로 가려고 하는데(釜山へ行くつもりが)というような説明だったと思う。最近ある本で,晋州(진주)へ行こうとしてという説を見かけた。インターネットで調べたところ3種類の説があり,プサンが登場する説も目的地がプサンなのではなく,出発地がプサンになっていた。記憶を訂正する必要がありそうだ。
ヽ_
さて,リービ英雄の連作短篇『星条旗の聞こえない部屋』『ノベンバー』『仲間』を読んだ。特に「星条旗の聞こえない部屋」は読む価値があった(英語のworth~ ing,韓国語のㄹ 만하다)。日本人の血を一滴も持たないアメリカ人の日本語による小説で,大江健三郎の初期の短篇を彷彿とさせる。

このとき,書店に同時に注文して取り寄せたのが『「闇の奥」の奥」』で,留学直前に買えなかったもの。T.S.エリオットが『荒地』で引用し,F.コッポラが『地獄の黙示録』の下敷きとしたコンラッドの『闇の奥』を論じた本。コンラッドもボーランド人で,英語は母語ではない。

カズオ・イシグロ:こも関心を持っているから,偶然ではなく,自分の好みがこういう人間に偏っているのだろう。チャンネ・リー|ま3歳で合衆国に移住しているそうだから,母語iよどちらなんだろう?

キム・ギドク監督の『受取人不明」』をDVDで見た。この監督の作品を見るのは,『悪い男』『魚と寝る女』『春夏秋冬そして春』『サマリア』『弓』(見た順ではない)に次いで6本目だから,それほど熱心なファンとはいえないが,見た中では上位に入る。一番よかったのは勿論『悪い男』だが,その次ぐらいかな。内容的には,犬食文化を取り上げているところが面白く,メッセージとしてはカフカの『審判』を思い浮かべてしまった。
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補遺ー1

前回予告した通り,他の媒体に載せたものをそのままアップする。
십년이면 강산도 변한다(十年経てば江山も変わる)というように,見方・考え方が変わった部分もあるが,修正は加えていない。
前後の通じにくい場合だけ註を付ける。
韓国語の解る読み手を対象としていたため,ハングルの意味や日本語読みは付けていない。

☆ 本の虫①---2007年09月23日
彼岸に入ったというのに,連日30度を越すこの暑さ。残暑どころか真夏じゃないか。昨日はツクツクボウシが鳴いていた。
韓国ではツクツクボウシもミンミンゼミも鳴き方を区別しないらしいが,オノマトペの豊富な国にしては信じ難い話だ。江戸家猫八のような声帯模写という芸能は,韓国ではプロとして成り立たないのだろうか。

さて,本の虫がメモ代わりに書き留めてみようと思い立った。その第1弾が今回の日記。この「本の虫」という表現が,韓国語では「책벌레」で,日本語と全く同じ発想になっている。偶然なのか,どちらかの影響なのかは知らない。他にも,
  仕事の虫 일벌레 
  点取り虫   점수 벌레
  勉強の虫  공부 벌레
正書法(맞춤법)では分かち書きするのか分からない。誰か教えて! ついでに바퀴벌레の語源も。

今まで乱読ともいえる読み方をしてきた中で,まとまって読んだ作家に吉行淳之介・中上健次・花村萬月・佐藤正午などがいる。こう書いてしまうと,いかにも純文学よリマイナーに傾いているように見えるが,そういう意識は全くない。このうち,中上健次と花村萬月は,初期~中期の荒削りではあるが初々しさのある時点までしか愛読していない。
それに対して,吉行淳之介と佐藤正午は初めから老成しているか,円熟とは程遠いという点で,長く付き合えたのかもしれない。
印象に残つている作品をいくつか挙げておく。
  三浦哲郎『白夜を旅する人々』
  簾内敬司『千年の夜』
  鷺沢萌『ウェルカム・ホーム!』
何か自殺がキーワードになっていそうで,気分は穏やかではない。
前回の日記で飯尾憲士を在日文学に入れて,鷺沢萌を入れなかった理由は,ハーフとクォーターの差ではない。単に自分の頭の中でそうなっているだけの話。(註)

気になつているものに,佐藤正午の「Y」がある。チョン・ジヒョンの映画『イルマーレ(시월애=時越愛)』と比較して誰か論じてくれないかなあ。

註: 私の選んだ在日文学ベスト3は
   飯尾憲士『ソウルの位牌』
   金石範『鴉の死』
   崔華國詩集

☆ 本の虫②---2007年09月29日
やっと,最高気温が30度を下回るよう:こなった。当たり前だね,明後日はもう10月だもの。

今回は、「本の虫①」の補足。
「自殺」にこだわる理由iま,はっきりしている。ずっと以前に読んだ本(タイトルは覚えていないが,筆者|ま呉林俊だったと思い込んでいる)の中で,朝鮮人は自殺しない民族だと断言していた。そのニュアンスは,あっけなく自殺する日本人と,粘り強く生き抜く朝鮮人という図式だったと記憶している。まるで桜とムクゲ(無窮花무궁화)の対比のような。そして,それを信じた。「そうなんだ,朝鮮人は自殺しないんだ!」と。

もちろん,やがて変だということに気付く。その一番大きな出来事Iよ金鶴泳の自殺だった。あまりにも鋭くヒリヒリするような感覚で,読むのが辛くなるようなところがあったが,在日作家のナンバーワンだと思っていた金鶴泳。

そして,留学の最後の授業が,「韓国人の自殺率世界No.1」というテーマであった。何とも皮肉な締めくくり。

※ 韓国人・朝鮮人という表記はいちいち気にしない。
※ 言語は「朝鮮語」だと思っているが,韓国で「韓国語」というのなら,別にそれでも構わない。

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